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SSH国内研修(東京・つくば)を行いました!

2023.10.01

○日  程:10月1日(日)~3日(水)2泊3日

○参 加 者:2年生3名、1年生5名(引率:川北・森) 

 

○研修場所について

1 日本科学未来館

 常設展を見学しました。研修中に訪問する研究所の研究内容について広汎にわたって展示されており、2日目から訪問する研究施設について、予習として学ぶことができました。

【参加生徒の声(一部抜粋)】

・幅広い分野の展示があり、どれも興味深く、分かりやすい内容で一番最初に行ったことで2日目,3日目の内容にも繋げることができた。

宇宙に関することも宇宙以外のことも総括的に展示されていたことを視覚的、体験式の展示から学ぶことができたから。最初の見学先として、その後の見学先の前提となるようなざっくりとした知識を持つのにも最適だったから。楽しみながら学べてよかった。

2 選択研修(チームラボプラネッツ/葛西臨海水族園)

 横断的な学びをねらいとして、2コースにわかれて研修を行いました。チームラボプラネッツでは空(宇宙)と映像の関連性を探り、宇宙での研究において多く用いられている画像分析・映像分析について最先端の技術を感じることができました。葛西臨海水族園では空(宇宙)と海の関連性を探り、宇宙のような過酷な環境に適応している深海生物について学ぶことで、宇宙環境に適応するためにはどうすれば良いか考えることができました。

【参加生徒の声(一部抜粋)】

・なんと言っても楽しかった!また、文字通り身体全体で科学技術を感じられた。

・東京の海に関する展示が多く、その意外な一面を垣間見ることができた。

 

3 高エネルギー加速器研究機構

 2つの実験施設を見学しました。放射光実験施設「フォトンファクトリー」では、普段の見学では見ることができない場所まで見学し、研究員の方からお話を聞くことができました。筑波実験棟「BelleⅡ」では、2008年にノーベル物理学賞を受賞した小川・益川理論を実証した、1周3kmの電子用電子衝突加速器を実際に見学し、装置の大きさと実験の繊細さを肌で感じることができました。見学後は職員も利用している食堂で昼食をとりました

【参加生徒の声(一部抜粋)】

・加速器というあまり馴染みのないものながら、職員さんたちの説明のおかげで理解しながら興味深い施設を多く見て回れた。

・高エネルギー加速器というのは前々から知っていましたが、本物を直で見て、どんな物なのか知ったのは研修が初めてでした。陽電子と電子をぶつけることによって宇宙の始まりを調べることが出来たり、物に使われている物質を調べることが出来たりするのがとても面白いと思った!!!自分じゃ到底思いつかないようなやり方で宇宙を開拓していくような感じがとてもワクワクしました!!!普段写真でしか見れない加速器をみれてとっても嬉しかったです。

 

 

4 理化学研究所

 つくば市にあるバイオリソース研究センターに訪問しました。バイオリソース研究センターでは、世界中の大学・研究所から預けられたバイオリソース(研究用の材料)を管理・提供しています。実際に研究されている研究室で研究者の方から講義をうけ、世界と協力して研究をすすめるために必要なことや課題点について現場の声を直接聞くことができました。

【参加生徒の声(一部抜粋)】

・材料などの開発・保存・供給という他にない業務を始めて知り、大学以降の研究というものが肌で感じられ、世界共通で利用できる研究資源の大切さを学べた。

・生化学とも関わりのある施設で、生物を学ぶ身として実りのある見学となった。

 

5 物質・材料研究機構(NIMS

  NIMSでは、研究員の方から研究者になるために大切なことや、NIMSで行われている研究について講義をうけた後、2グループに分かれて10本の金属棒の材質を当てる「金属当てゲーム」を行いました。生徒たちは「磁石につくか」「重さはどちらが重いか」「見た目の色」といった情報から、どの棒が何の金属かを化学の知識を活用しながら推測し、時には研究員の方からヒントやアドバイスを受け、全ての金属を当てることができました。ゲームの後は研究者が実際に使っている研究設備(電子顕微鏡SEMTEM、クリープ試験機など)や研究室を見ながら説明を聞くことができ、その中にはギネス記録を持っている実験装置なども存在し、理学分野において最先端の施設を学ぶことができました。                     


【参加生徒の声(一部抜粋)】

・金属の話から始まり、思っていた何倍もとっつきやすい感じのところだった。楽しみながらも多くのことが学べた。また、顕微鏡のような実験設備やクリープ実験などについて実際にこの目で見ることができてイメージしやすかった。案内してくださった方の説明も分かりやすく、多くの発明それぞれについて詳しく知ることができて良かった。

・自分たちで体験もできたし、体験したことが実際に生かされているものを見て材料に対する知識がすごく深まったと思う。


6 サイエンススクエア・つくば

 産業技術の応用についての展示を説明員さんのガイドを聞きながら見て回りました。アザラシロボットのパロや、3D触力感パネルを実際に触って楽しむことができました。柔らかい布から音をだすことができるファブリックスピーカーや、化学の授業でも登場するカーボンナノチューブの実用化など、社会に役立てられていく新技術について、実際に手に触れて学びました。

【参加生徒の声(一部抜粋)】

・異分野間の繋がりが感じられる研究や発明が多く、これからの科学技術の方向性が見えた。

・ロボットについていろいろな活用方法があることがわかった。一番感心したのはセラピー効果を持ったロボットで、ロボットの活用法をもっと考えていきたい。

 

 

7 JAXA宇宙センター

 ガイドツアーに参加した後、JAXA職員も利用している食堂で昼食をとり、常設展の見学を行いました。ガイドツアーでは、通常は立ち入ることのできない宇宙ステーション「きぼう」の管制塔を見学し、リアルタイムでNASAとつながっていることや、細かい担当に分かれて「きぼう」の管理や宇宙飛行士のケアを行っている実際の姿を間近で見ることができました。食堂ではJAXA職員の方々が談笑している姿を見ながら昼食をとることができ、生徒も興奮を抑えられない様子でした。常設展では人工衛星や宇宙ステーション「きぼう」、ロケットなどのレプリカが実物大で展示されており、とても見応えがありました。

【参加生徒の声(一部抜粋)】

・宇宙により近づいたと思う。実際の宇宙服を見てみて、着ている人がイメージできたし職場で働いている人をみて感動した。

・やはり、宇宙といえばJAXA!!ということで、宇宙開発を沢山やっている、そんな所だと思っていました。しかし、それだけではありませんでした。新薬設計や、筋肉や骨が早く衰える環境で薬の効果を試したり病気のサインを見つけたり、宇宙空間でどのように物質が劣化するかなど、自分たちが地球で安全・健康に過ごすための研究も行われていて、やっぱり科学って繋がるし、宇宙と別分野だと思われたものも、とても密接に関係しているのだと思いました。研究だけでなく、宇宙で使われている人工衛星や、きぼうなどを実物で直接見て、宇宙の大きさを身に感じたし、宇宙開発のための機械を作り考える人達は本当に凄いなと思いました。宇宙服の機能性や、訓練所、きぼうの運用管制室など、詳しいお話を聞いたり、直接見たりして、とっても面白くて楽しかったです。きぼう(レプリカ)の中に入れたのが1番の思い出です。

 

 

今回の研修について(参加者全員の声)

・今回の研修はもともと宇宙関連のことに興味があったのでJAXAに行けるということが主な参加の理由だったが、他の施設や研究機構に行ったことで自分の視野が広がったのを感じた。今まで興味がなかった分野にも興味を持てたし、いろんな部分で分野は違っても繋がっているのを感じて、一つのことを学ぶとそれがいろんなところにつながっていくのが面白かった。いまだに自分のやりたいことは決まっていないが、選択肢が広がったと思う。

 

・一言に「宇宙に関する仕事」と言っても、材料開発、製品開発、打ち上げ関係、オペレーションセンターなど幅広いということが改めて体験できた。同時に、多様化した専門技術を1人で使いこなすことなど到底不可能であることも感じたので、国内のみならず世界中での協力体制を作る重要性も感じた。「だからこそ英語が必要だ」と思っていていた。しかし、それも大切だが、言語に依らないデータや規格の統一こそが今求められているのではないかと感じた。

 

・まず自分の知らない世界に触れられたということがとても大きかったと思う。今回学んだことをそっくりそのままこれからの人生に活かせるかは分からないけれど、人生の選択肢がすごく広がったし、今の自分の未熟さみたいなものを改めて感じられるきっかけになったと思う。

 

・自分は正直たくさんの知識を持っていなかったが、今回を通して色々な知識や最先端の情報を得られた。その中には自分ではまだわからない部分があったり、もっと興味を持ったりしたところがあったのでこれから調べていこうと思う。それて持って帰ってきた知識や情報を友達や家族に共有しようと思う。

 

・今回の研修で行ったところは、全て初めて行くところだった。今回この研修に参加した理由の一つに、「自分の見たことのないものを見て、自分の視野を広げたい」というものがあった。今まで、自分の進路については、「工学部に行きたいなあ」くらいのことしか考えていなかった。しかし、今回の研修で理研やNIMSの人の話を聞いて、学部を卒業した後にも、ふつうに企業に就職するのではなく、大学院へ行って研究室でさらに研究をするという進路があったりということを認識できた。そのような面から、「自分の視野をひろげる」というこのひとつの目的は達成できたと思う。

 

・多くの見学先を回ったことで、様々な角度から日本が誇る科学技術について学ぶことができた。たくさんの視点で学ぶなかで、技術のすごさだけでなく、それら技術のつながりや世界との関連性にも気付き目を向けることができた。それだけでなく、技術的な発達の歴史についても垣間見ることができた。今の高度な技術は今までの積み重ねでできているのだと再認識するきっかけになった。今までは宇宙に対する好奇心と興味と漠然とした知識しか持っていなかった。しかし研修を通して学び、身をもって感じたことで、その好奇心と興味は一層強く具体的になり、知識は広く深くなった。このような機会がなければまず入ることもなく知ることもなかった物事がたくさんあって、そのような物事に興味と熱量を持って向き合う事ができたのは自分にとって大きな経験となったと感じている。事前学習や研修によって確実に自分の興味の幅は広がったし、世界も広がった。私がこの研修に参加したのは単純な興味が大きかったけれど、思っていた何倍も楽しく有意義な時間を過ごせた。技術に触れるなかで、技術の仕組みといった理論的な部分以外にも、技術の活かし方や研究をする過程、今後の課題などについても知る機会がたくさんあった。結果として、技術の理解にどどまらずコミュニケーションの必要性や個人間・企業間・国家間での連携の重要さといった社会的な側面での学びも得ることができた。多くの側面において、自分にとってまたとない学びの機会となったと感じている。長々と書いてきたが、一番言いたいのは知識的にも人間的にも期待以上の物事を学び、自分のものにして成長に繋げることができたということ。多くのことを考えたし、それらを言葉にしたし、仲間と共有することでさらに深めることができた。仲間の存在は学びの上でも三日間の生活の上でも、とても大きいものだった。最後になったが、なんといっても楽しかった。自分にとってかけがえのない経験となり、心の底から参加して良かったと思う。今後も研修後の活動を通して、消化しきれなかった部分の消化や得た知識の定着等を図っていきたい。

 

・今回この研修に参加して身をもって感じたことは、科学は宇宙全体を支えておりどんな異分野であっても絶対に繋がっているということです。研究者さんが、研究や発明にはコミュニケーションが必要だと仰っていました。本当にその通りだと思いました。研究や開発は、色々な人の手によって支えられるものであり、1人だけの考え方では見いだせないものが沢山あるからです。様々な詳しい知識を持った人々が集まることで役立つものができるのだと。今回、色々な場所へ行き、色々な体験をしましたが最終的に収束するのは私たちの生活に役立つという事です。そして、このような研究者の方々によって自分たちの生活は支えられているのだなと再認識しました。また、科学は発展すると、環境が破壊される可能性がある事も改めてわかりました。自分の何気なく使っているものは、何かを失って手に入れているものです。だから、もっと身の回りのものを大事にしようと思いました。研修で出会った研究者の方々はどの人も楽しそうで、みんなに役立つものを作りたいという意欲を感じられました。わたしは、そんな彼らのことをとてもかっこいい人達だと思いました。自分に出来ることはまず、当たり前の日常、つまり自分を支えてくれる科学技術を大切に思っていこうと思いました。これら全ては今まで研究してくれた先人の人々のお陰であります。そして、自分も宇宙開発だけにとどまらず色々な分野に興味を持ち、勉強に励んで、沢山の知識を手に入れ、研究することによってこれからの自分が生きている間の未来の発展に少しでも役立てたらいいなと思います。このような素晴らしい研修に参加出来たことに感謝しています。人生の糧になりました。ありがとうございました。

 

・一連の見学を通して、今や科学の発展は一分野を極めるだけでは実現しないのだと感じた。どの施設においても共通して言えたのは、複数の分野の知見が複合することで、高度な技術が成り立っていたということである。例えば高エネ研では電子の放射光を創薬や生化学などに役立てていたし、宇宙開発では無重力空間という特異な環境を実験場として様々な分野の研究を行っていた。こうした有機的な研究を行うには、理研の職員の方もおっしゃっていたが、他人との協調が大切なのだと感じた。特に自分の専門としていない、他分野との協調が高い創造性を実現することは、この見学で見てきた技術の示す通りである。